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教室きょうしつ窓辺まどべ陽射ひざしの砂時計すなどけい
あなたをっている時間じかんかげになる
グラウンドをはしるユニフォーム姿すがた
カーテンにかくれて せつなくながめてた

あお檸檬レモン ひとつ
てのひらつつんで
あげたいの
そう わたしのすべて
あお檸檬レモン そっと
わかすぎる果実かじつ
もどかしい この年頃としごろ

さみしげなチャイムが ボールをめたとき
あなたが一瞬いっしゅんだけ こっちをたようで…
ときめきの鼓動こどうづかれたくなくて
窓辺まどべからはなれた 夕陽ゆうひ片想かたおも

こい檸檬レモンみたい
まっすぐにけない
とおまわり
ほら いびつなかたち
こい檸檬レモンみたい
甘酸あまずっぱいかおりは
不器用ぶきような この年頃としごろ

「ずっと きでした。
でも、えませんでした。」

教室きょうしつまどから てました。
グラウンドをはしるあなたを
っていました。」

時々ときどき、あなたがこっちをるようで。
そのたびに、わたしはカーテンにかくれていました。」

練習れんしゅうつかれたあなたに、
いつかあげようとおもって、
わたしてのひらなかには、いつも、まだ、あお檸檬レモンがありました。」

あお檸檬レモン ひとつ
てのひらつつんで
あげたいの
そう わたしのすべて
あお檸檬レモン そっと
わかすぎる果実かじつ
もどかしい この年頃としごろ