街中まちじゅうはアスファルトで染そまる
一輪いちりんの花はなも咲さけやしない
生いき急いそぐ彼かれらは無意識むいしき
見みえない 見みえない 見みえない

排気はいきガス浴あび続つづけてヒトリ
次第しだいに朽くちてゆくこの体からだ
雨粒あまつぶだけが些細ささいな勇気ゆうき、くれる

華はなやいだこの世界せかいは今いまも
忙せわしなく時ときが過すぎてゆく
誰だれかの目めに映うつれるように
精一杯せいいっぱいの笑顔えがおを振ふりまくんだ

いつしか壮大そうだいに美うつくしく咲さき誇ほこる夢ゆめを
見みえない地平線ちへいせんの先さきに抱だく
永遠えいえんの命いのちなんてどこにもないけれど
叶かなわない願ねがい 見届みとどけに行いこう

真夜中まよなかの午前2時過ごぜんにじすぎの
有限ゆうげんを知しらない星空ほしぞらに
“私わたしを遠とおくまで連つれてって”と
願ねがう 願ねがう 願ねがう

揺ゆらめいたこの手てに掴つかんだ
希望きぼうなんてものはもう枯かれ果はてて
月つきの光ひかりが遮さえぎられた
そこにいる、
誰だれなの 誰だれなの 誰だれなの

「歪ゆがんだ君きみの目めの先さきには僕ぼくの顔かおがあるだろう?
誰だれかの記憶きおくに残のこるように君きみに名前なまえをつけよう

美うつくしく咲さき誇ほこる花はなとは決けして言いえないけど
儚はかなく強つよく根付ねづいている君きみに名前なまえをあげよう

グレイシア

いつまでもこの夢希望ゆめきぼうない世界せかいを
路上ろじょうの片隅かたすみで照てらしてくれ
永遠えいえんに君きみの願ねがいは叶かなわないけれど
ここにいて 優美ゆうびに咲さいてくれ」

グレイシア
私わたしに居場所いばしょを与あたえてくれた
愛あいも希望きぼうも夢ゆめも全部ぜんぶ、全部ぜんぶ
その名前なまえに込こめられていて
永遠えいえんの命いのちなんてどこにもないけれど
明日あすの光ひかりを 見届みとどけに行いこう