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ちいさなとりてぬ、おろかなことわり
れる木々きぎが、ざわめくとき
羽根はねは、息吹いぶくのだろう

すべてが、おもいのままに
かぬ今生こんじょう、それゆえ

かごなか小鳥ことりいまこそ
両翼りょうよくびたちたまえ
それがしんるべき姿すがた
だれ邪魔じゃま出来できない

人間ひとつねさがしてる、甘美かんび微熱びねつ
かがやかしいまなてに
人間ひとこわれていく
途絶とだえぬ、幻朧げんろう
ともされたさだめを、きたい

かごなか小鳥ことりばたけ
かぜさらわれおもむくまま
おなそらもとまれた
いたみ、かちため

紅蓮ぐれん夕日ゆうひ
まったひとみ
おもいは
つるぎして
この蔓延はびこ
えぬ、悲哀ひあいから
自分じぶん以外いがい
まもりきれるものは、いない

ため羽根はねひろげるのか
別離わかれかぜれるとき
記憶きおく桜花おうかとなりって
うつくしくり、える

かごなか小鳥ことりよ、何時いつ
両翼りょうよくめよう
おなそらもとまれた
ふかく、いとおしきずな