世界せかいはもう行いき止どまり。
後あとはただ食くい潰つぶして終おわるだけ。
そんな場所ばしょに生うまれて、
終おわらない天国てんごくと、
鳴なり止やまない讃美歌さんびかに侵おかされて、
今日きょうも息いきをしています。

繋つながって交まじわって、
唐突とうとつに虚むなしくなるのはどうして?
偉えらそうに「他人たにんに飽あきた」と。
暗くらい未来みらい、鈍にぶい過去かこ、
全部ぜんぶもう忘わすれてしまいたいだけ。
精神せいしんを保たもつ為ために。

才能さいのうが無なかったんだ。
人ひととして生いきるだけの。

ああどうか、覚おぼえていて。
海うみの底そこで息いきを殺ころして。
ただ誰だれかに、愛あいされたいの。
私わたしもただのヒトになる為ため。
それ以外いがいはもういいよ。
もういいの。

世界せかいはもう行いき止どまり。
始はじまった物語ものがたりは終おわるだけ。
いつかは辿たどり着つく最期さいご、
その時ときに誰だれも皆みな、気付きづくでしょう。
大切たいせつだったものはそう、
殆ほとんどがガラクタだったと。

名前なまえを呼よんで欲ほしいの。
私わたしにはそれしか無ないから。

(ベシミスト 種しゅの保存ほぞん
ゲル状じょうに溶とけ出だしていく幸福こうふく
人類じんるいは産うまれた時ときから
終おわりへと突つき進すすむ
あとはもう食くい潰つぶして終おわるだけ
自分じぶんが立たつ大地だいちさえも)

才能さいのうが無なかったんだ。
人ひととして生いきるだけの。
それが解わかっているのに、
呼吸こきゅうを止やめないの。
何故なぜ。

ああどうか、覚おぼえていて。
海うみの底そこで息いきを殺ころして。
ただ誰だれかに、愛あいされたいの。
私わたしもただのヒトになる為ため。
それ以外いがいはもういいよ。
もういいの。