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10年前じゅうねんまえきみ一言ひとこと ぼくこえとどくのなら
10年後じゅうねんごぼくはそのとき きみなにつたえるだろう

10月7日じゅうがつなのか きみいてた 明日あしたるのがこわいと
そのとききみ表情ひょうじょういまもよくおぼえてるよ

こわれそうに ふるえていた きみにぎった
こぼちた きみなみだ ぼくらした

「あとどれくらいこうして きみといられるだろう」
そうったきみをそっとせた ぼくなにえなかった

ねえずっと わらって きみがいられるなら
ほかなにらないから

もう一度いちど わらって わらって きみがいてくれたら
きみ記憶きおくから ぼくえてもいいから

10月9日じゅうがつここのか きみ部屋へやは いつもとちがってさわがしくて
ぼくなに出来できずにただ くしていたんだ

きみこえしぼって ぼく名前なまえんだ
くるしそうに かすれていた なみだにじんでいた

「ごめん きみとの約束やくそくまもれそうにないんだ」
そうったきみとなりぼくこえげていたんだ

ねえずっと わらって きみがいられるなら
ほかなにらないから

もう一度いちど わらって わらって きみがいてくれたら
ぼくはもう これ以上いじょう のぞまないから

10月10日じゅうがつとおか きみねむった まどうつそら綺麗きれい
つないだままのきみゆびは まだぬくもりがのこっていた

今日きょうまでのことをこの手帳てちょうしるしておこうとおもったんだ
これから何十年先なんじゅうねんさききみごしてきた日々ひびのこして 色褪いろあせないよう

ねえずっと わらって きみがいてくれたら
ぼくはそれだけでいいから

いつまでも わらって わらって きみにいてほしいよ
ぼくこえきみとどいているかな

この手帳てちょう最期さいごのページに きみおもはさんでるよ
此処ここにいるきみ一番いちばん ぼくきな笑顔えがおだから