- 文字サイズ
- よみがな
吐はくのに疲つかれてそのともだちはぐっすり眠ねむる
扉とびらの向むこうに行いったあの子こは元気げんきにしてるかな
機械きかいだらけの白しろい部屋へやの中なか、苦にがいクッキーおやつに食たべながら
ともだちとお外そとを眺ながめてた
「いつかあの丘おかを越こえて、その向むこうでふわふわ羊ひつじと踊おどりたいな!」
ただ僕ぼくはそっと頷うなずいた
「あれは壁かべに描かかれた絵えだよ」だなんてね、言いえない
いーよ、いいよ、モルモットの気持きもちなんてわからなくていいよ
いーよ、いいよ、しっぽが切きれた金魚救きんぎょすくっちゃったっていいよ
ああ、僕ぼくの世界せかいにおしまいが訪おとずれるまで
淀よどんだ空気くうきを吸すって、吐はいて
がたがた震ふるえるそのともだちに毛布もうふを被かぶせる
注射ちゅうしゃの嫌きらいなあの子この代かわりに僕ぼくは前まえへ出でる
24時間閉塞空間にじゅうよじかんへいそくくうかん、鳩時計はとどけいのチクタクなる音おとが
やけに耳みみに張はり付ついていた
「きっとこの絵本えほんみたいに、神様かみさまが僕ぼくたちを外そとに出だしてくれるよ!」
ただ僕ぼくはそっと微笑ほほえんだ
「僕ぼくらは人間ひとじゃないから無理むりだよ」なんてね、言いえない
いーよ、いいよ、モルモットの気持きもちなんてわからなくていいよ
いーよ、いいよ、汚きたない服ふくお花はなで埋うめ尽つくしちゃっていいよ
ああ、ガラス越ごしの別世界べっせかいから降ふってくる
蔑さげすんだ目めをすっと見みた
ぱっと暗くらくなる部屋へや、この施設しせつの生命装置せいめいそうちが全停止ぜんていしした
ただ僕ぼくはじっと目めを凝こらした
怖こわがりなともだちは僕ぼくにしがみついた
遠とおくで響ひびくどーんという花火はなびにも似にた懐なつかしい雑音ざつおん
ぐらりん、りんり、衝撃しょうげき、卒倒そっとう、隙間すきまから火薬かやくの匂におい
ああ、泣ないて叫さけぶ仲間なかまに埋うもれながら
崩くずれる壁かべの絵えをぼっと見みてた
いーの?いいの? 壁向かべむこうの酸素肺さんそはいに入いれちゃってもいいの?
いーの?いいの? レーザー線せんじゃない光浴ひかりあびちゃってもいいの?
ああ、ガラガラと崩くずれた壁かべの先さきに
青空越あおぞらごしの神様かみさまを見みた
扉とびらの向むこうに行いったあの子こは元気げんきにしてるかな
機械きかいだらけの白しろい部屋へやの中なか、苦にがいクッキーおやつに食たべながら
ともだちとお外そとを眺ながめてた
「いつかあの丘おかを越こえて、その向むこうでふわふわ羊ひつじと踊おどりたいな!」
ただ僕ぼくはそっと頷うなずいた
「あれは壁かべに描かかれた絵えだよ」だなんてね、言いえない
いーよ、いいよ、モルモットの気持きもちなんてわからなくていいよ
いーよ、いいよ、しっぽが切きれた金魚救きんぎょすくっちゃったっていいよ
ああ、僕ぼくの世界せかいにおしまいが訪おとずれるまで
淀よどんだ空気くうきを吸すって、吐はいて
がたがた震ふるえるそのともだちに毛布もうふを被かぶせる
注射ちゅうしゃの嫌きらいなあの子この代かわりに僕ぼくは前まえへ出でる
24時間閉塞空間にじゅうよじかんへいそくくうかん、鳩時計はとどけいのチクタクなる音おとが
やけに耳みみに張はり付ついていた
「きっとこの絵本えほんみたいに、神様かみさまが僕ぼくたちを外そとに出だしてくれるよ!」
ただ僕ぼくはそっと微笑ほほえんだ
「僕ぼくらは人間ひとじゃないから無理むりだよ」なんてね、言いえない
いーよ、いいよ、モルモットの気持きもちなんてわからなくていいよ
いーよ、いいよ、汚きたない服ふくお花はなで埋うめ尽つくしちゃっていいよ
ああ、ガラス越ごしの別世界べっせかいから降ふってくる
蔑さげすんだ目めをすっと見みた
ぱっと暗くらくなる部屋へや、この施設しせつの生命装置せいめいそうちが全停止ぜんていしした
ただ僕ぼくはじっと目めを凝こらした
怖こわがりなともだちは僕ぼくにしがみついた
遠とおくで響ひびくどーんという花火はなびにも似にた懐なつかしい雑音ざつおん
ぐらりん、りんり、衝撃しょうげき、卒倒そっとう、隙間すきまから火薬かやくの匂におい
ああ、泣ないて叫さけぶ仲間なかまに埋うもれながら
崩くずれる壁かべの絵えをぼっと見みてた
いーの?いいの? 壁向かべむこうの酸素肺さんそはいに入いれちゃってもいいの?
いーの?いいの? レーザー線せんじゃない光浴ひかりあびちゃってもいいの?
ああ、ガラガラと崩くずれた壁かべの先さきに
青空越あおぞらごしの神様かみさまを見みた