暗くらい暗くらい森もりのなか
私わたしは一人ひとりぼっちのグレーテル
甘あまい甘あまいおうちに誘さそうの 青あおい鳥とり

キラキラ綺麗きれいな宝石ほうせき
ふかふかのお布団ふとんで
すやすやの私わたしに言ゆうの
「たべちゃうぞ」

こんなはずじゃないと言いって
夢ゆめなら覚さめてよと泣ないて
今いまからふりだしに戻もどって
小石こいしを辿たどって帰かえろう

欲ほしい物ものは全部ぜんぶあって
でもそれはアナタじゃなくて
それでもどうしようもないから
目めをギュッと瞑つむって
食たべられましょう

今いま、いくよ 迎むかえに行いくよ
外そとに出でて待まってて頂戴ちょうだい
おうちの中なかは危険きけんだよって
言いったでしょう?

待まてなかった
遅おそかった
煮にえた鍋なべは吹ふきこぼれた
助たすけて
叫さけんだ声こえは掠かすれてく

このままいっそ全部焼ぜんぶやいて
夢ゆめならこんな悪夢あくむは消けして
ちぎったパンの欠片かけらはひとつも
残のこってはいやしないよ

サヨナラ ハッピー 青あおい鳥とり
ご満悦まんえつのアナタにグッバイ
生いきている意味いみもないから
このまま森もりを彷徨さまよおうか

止とまりそうだ
歩あるけないんだ
どうしようか

物語ものがたりの先さきには
幸しあわせな、終おわりが