今宵凍こよいこおりついた刃やいばで
この身切みきり裂さいてくれないか
いずれ剥はがれてしまうならば
その手てで縛いましめて

翳かげる雲隠くもかくれの月つきに惑まどわされ
闇やみを駆かけて消きえる一筋ひとすじの希望きぼう
君きみの姿すがたさえも上手うまく描えがけずに
乱みだれていく風かぜの行方追ゆくえおいかける

(始はじまりの場所ばしょ 偽いつわりの同情どうじょう 背負せおうにはあまりにも大おおきな代償だいしょう)
誰だれも知しらない一刻先いちびょうさきへ
(近付ちかづいてみな 触ふれてみたけりゃそこにあるものを全すべて壊こわして来きな)
飛とび込こんでみせてあげる

今宵凍こよいこおりついた刃やいばで
この身切みきり裂さいてくれないか
いずれ剥はがれてしまうならば
その手てで縛いましめて

たとえ星ほしも見みえぬ闇やみに堕おちるとも
胸むねに燃もえ続つづける紅くれないの炎ほのお
刃持やいばもつこの手てで命いのちを散ちらして
求もとめるほど夢ゆめは彼方遠かなたとおざかる

(薄うすれゆく微笑びしょう 降ふり積つもる罪障ざいしょう
身みも心こころも狂くるわす永劫えいごうの恋情れんじょう)
誰だれも行いけない月つきの向むこうへ
(傷付きずついてみな 抱だいて欲ほしけりゃ 綺麗事言きれいごといわないで本気ほんきで来きな)
忍しのび込こんでみせてあげる

今宵腐こよいくさりかけた腕かいなに
その身抱みいだかせてくれないか
明日別あしたわかれる運命さだめならば
今いますぐ引ひき裂さいて

今宵廻こよいめぐりめぐる縁えにしが
この身貫みつらぬいて消きえてゆく
やがて移うつろう想おもいならば
今いまだけくちづけて

今宵凍こよいこおりついた刃やいばで
この身切みきり裂さいてくれないか
いずれ剥はがれてしまうならば
その手てで縛いましめて