人混ひとごみが蠢うごめいて 其処そこには感情かんじょうも無なく
矯声ちょうせい 嘆声たんせい 奇声きせい 罵声ばせい
耳障みみざわりな雑音ざつおんだけ

灰色はいいろの空そらの下澱したよどみ 昏くらく濁にごり混まざる雲くもに
混沌こんとんと渦巻うずまいた白黒景色モノクロけしき
疑心暗鬼取ぎんしんあんきとり憑つかれては 纏まとわり付ついて離はなれずに
貪むさぼり喰くらい尽つくす迄まで 軋きしる耳鳴みみなりが

とおりゃんせ とおりゃんせ
歪ひずむ信号機しんごうきの音おとが…
とおりゃんせ とおりゃんせ
眩暝げんめい 視界締しかいしめつける

紫空しくうに染そまる

幾重いくえにも織おり成なした岐路きろの何処どこかで
途切とぎれ 跡切とぎれる理想論りそうろんは
脆もろく音おとを立たて崩くずれてゆく
鳴なり止やまぬ不協和音ふきょうわおん

白しろにも戻もどれず黒くろにも染そまれずな斑模様まだらもよう
思考しこう 感情かんじょう 表情ひょうじょう 景色けしき
希望ひかり、見みい出だせぬ日々ひびの儘まま

疑心暗鬼取ぎしんあんきとり憑つかれては 纏まとわり付ついて離はなれずに
蝕むしばみ喰くらい尽つくす迄まで 頭掻あたまかき毟むしる

とおりゃんせ とおりゃんせ
歪ひずむ信号機しんごうきの音おとが…
とおりゃんせ とおりゃんせ
眩暝げんめい 脳裏締のうりしめつける

噎むせる慟哭どうこくに…五月雨烟さみだれけむる

幾重織いくえおり成なした岐路何処きろどこかで
途切とぎれ 跡切とぎれる理想論りそうろんは
脆もろく音おとを立たて崩くずれてゆく
鳴なり止やまぬ不協和音ふきょうわおん
黒くろと白しろのボーダーラインに囚とらわれ
蹲うずくまり耳みみを塞ふさぎ込こんだ
紺碧こんぺきはやがて緋ひに染そまり

弧こを描えがき舞まう末路まつろ