文字サイズ
よみがな
かすまどわすのは愛故あいゆえ
燦々さんさんそそぐのは哀故あいゆえ

祝儀しゅうぎ葬列そうれつ

刹那せつなでもあり永久とわでもあり
かすかにえる笑顔えがおなみだほろり

燈籠とうろうあかりがたたえるつめたいぬくもり
かびがり、そうしてえる…またかんで、える…
足音あしおとだけがみぎからひだりへ…

暗中模索あんちゅうもさく
五里霧中ごりむちゅう
朧月おぼろづきいざなわれ
えぬ…えぬ…」となげいては、おそおそしのあし

彼方かなたからこえる祭囃子まつりばやし
つつみ咆哮ほうこう幾千いくせん慟哭どうこく

泥濘ぬかるみがそのいのちこばむかのごと
幼心おさなごころがそのいのちすかのごと

燈籠とうろうあかりがたたえるつめたいぬくもり
かびがり、そしてえる…またかんで、える…
足音あしおとがづけば背後はいご

暗中模索あんちゅうもさく
五里霧中ごりむちゅう
朧月おぼろづきいざなわれ
えぬ…えぬ…」となげいては、おそおそしのあし

きはよいよい…かえれない…
此処ここ何処どこ…?
こわい…こわい…」となげいては
祭囃子まつりばやしわり

暗中模索あんちゅうもさく
五里霧中ごりむちゅう