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はかない少年しょうねんは ふっとした瞬間しゅんかん予期よきせぬことをおもいつく
水面みなもうつる きれいな満月まんげつとき少年しょうねんこいをする
ぼくにも・・さわれるのかな・・・」

はかない少年しょうねんは ふっとわれかえった そうだぼくおよげない
前向まえむきにかんがえよう 少年しょうねんおもいついた そうだボートをつくろう
指差ゆびささき満月まんげつ

何度なんどわらわれて くじけたこころ
くくりつけた ちいさなイカダ

ときめれば どこまでけるかな 夜明よあけになるまえ黄色きいろ満月まんげつ
たどりきたい 立派りっぱをなびかせて ちいさなイカダ全速力ぜんそくりょく満月まんげつ

かぜんだセイル 予期よきせぬ焦燥感しょうそうかん 満月まんげついまだほどとお
まよいのない少年しょうねんらした対角線たいかくせん 満月まんげつはじめてる
「もっとはやかなきゃ」

ときはやさにも けないで
ちから一杯いっぱい いだオール

かぜれたら もっとはやけるだろう 夜明よあけをかさねても なみだをこらえかじをとる
「たなびけ!ぼくふね!」 おおきなこえさけぶけど 少年しょうねんイカダ無風むふうめた

れる両手りょうて にぎれないオール
きずついたからだ たおんだ

ときはあまりにも はやすすんだようだ はかない少年しょうねんまわりを らすリング
つきけきって おおきな三日月みかづきになる かがや水面みなもに たなびいてまらないセイル

ときめれば つきけなかったろう
ときめれば かぜかなかったろう