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よみがな
六月ろくがつあめすこさびしげで 花達はなたちひかりっているよう
どうして一人ひとりいってしまったの ときにあなたをめたりもした

かんではえていく記憶きおくなか なみだれるほどいて
それでも最後さいごのこるのは 世界せかい一番優いちばんやさしいあのこえ

みどりなかを あなたをいかけた いつしか二人ふたりそら

みずたまりのうえはしゃぐ子供達こどもたち 家路いえじかいかけけて
もうどれくらいこの部屋へや一人ひとり かえ日々ひびかさねてきただろう

まど外雨上そとあめあがりのそらには しずかに夕陽ゆうひしずんで
一日いちにちわりをげるころ 「ただいま」「おかえり」ちいさくつぶや

みどりなかを あなたをいかけた いつしか二人ふたりそら

いつかわたし旅立たびだとき かならずあなたのもとくから
そのときまよわずにきしめて そしてわたしめて
ゼラニウムがれている
かぜなかで あなたが微笑ほほえんでる