文字サイズ
よみがな
影無かげな時雨しぐれはね音震ねふるわせ
ためくのか 心慌こころあわただしや

よいのむらさめに しのぶれど、こい
まばゆき黒髪くろかみいのりこめどたゆたう

なみだ胸間むねま炎消ひきゆるものならばこんなにも
ものくことはないでしょう
むせびながら がしながら

なかばのつきよる片糸かたいとりてなお
貴方あなたへのおもいをしたため ひそやかにねむ

かお記憶きおくたぐり
この腕絡うでからませ 耳元みみもとささめいて…

そこはかとなくうつりゆくあいならばこんなにも
ものくことはないでしょう
なげきながら がしながら

ちた十五じゅうごつきよるねがわくは 諸恋もろごい
貴方あなたへのおもいをたしかめ 禍言鎮まがことしずめる

つゆなぐさって ときはぐれて
いきづくごとに 貴方あなたしくて…
かかるほどにけて 貴方あなたって…

なかばのつき黎明れいめい のぞつなひかり
うつごころ 御灯みあかしまとい たおやかにうた

まれわりのつき克明こくめい 見果みはてぬこのゆめ
くぐもるそらとおって まようことはない
めぐ