春はる 夕靄ゆうもやの中なかに 小ちいさな汽笛きてきがした
肩かたをよせて橋はしにもたれて 心こころは旅たびに出でよう

まわり道みちしたのは ようやく気きづくため
取とり戻もどせない時間じかんなんて なにひとつもないこと

なぜ あなたといると 涙なみだがでるの
独ひとりだった日々ひびが いじらしくなるの

春はる 潤うるんだ灯あかりに なつかしい匂においがした
重かさなり合あう自転車じてんしゃの影かげ 風かぜに揺ゆれているけど

もう あなたといれば 怖こわくないから
明日あしたはあたたかい 予感よかんがしているの

2羽にわのカモメ 回まわっている
5時ごじの鐘かねが 響ひびいている
ゆっくりと ペダル ゆっくりと踏ふんで
家うちへ帰かえろう

なぜ あなたといると 涙なみだがでるの
独ひとりだった日々ひびが いじらしくなるの

もう あなたといれば 怖こわくないから
明日あしたはあたたかい 予感よかんがしているの