曇天どんてんが皆みなの不快指数ふかいしすう 押おし上あげてやまないある日ひ

「私わたくしヲ探さがシテホシイ」

そんな手紙てがみを頂いただいた

ボクはついにその時ときが来きた!と机つくえの陰かげで喜よろこんだ
慌あわてて外そとに飛とび出だしてキミの姿探すがたさがす

ああ ボクはこんなに必死ひっしなのに
世界せかいは恐おそろしくボクに無関心むかんしんで

もうどうにでもなれ ザアと雨あめが降ふり出だした刹那せつな

すべての他人ヒトが消きえたんだ!

あめあめふれふれ ふりつづけ
森羅万象しんらばんしょうを流ながし去さるまで

キミを隠かくし続つづけた虚飾うそも
今日きょうをもってお払はらい箱ばこさ

割われそうな大声おおがえでキミの名前なまえを叫さけぶ
雨あめが不快ふかいだなんて 何処どこの何奴どいつが吐はく戯言ざれごとさ?

他人ヒトが消きえた街まちに滝たきのような
雨あめが降ふり注そそぎ溢あふれた

キミが見みつかるまでは 箱舟はこぶねは出ださない

ああ 欲望よくぼうとか駆かけ引ひきとか 洗あらい流ながされ愛あいだけがそこに残のこる……
もうどうだっていいさ じきに全部消ぜんぶきえてしまうから

昼ひるも夜よるも無なくした雨降あめふる世界せかい すべての名前なまえの境目さかいめが溶とける頃ころ
目めの前まえ シンゴーキが点滅てんめつしかけたその先さきに

やっと見みつけたんだ

「Φキミはずっとそこにいたんだ!」

あめあめふれふれ ふりつづけ
森羅万象しんらばんしょうを流ながし去さるまで

キミを隠かくし続つづけた虚飾うそも
今日きょうをもってお払はらい箱ばこさ

割われそうな大声おおごえでキミの名前なまえを叫さけぶ
雨あめが不快ふかいだなんて 何処どこの何奴どいつが吐はく戯言ざれごとさ?

あめあめさいごに ふりやんで
森羅万象しんらばんしょうを流ながした後あとに

世界せかいは鮮あざやかに再生遂さいせいとげて
ボクら 邂逅果かいこうはたす