月つきの光ひかりも届とどかぬ部屋へやで
君きみは心こころを隠かくしたまま僕ぼくの首くびに腕うでをまわす
夜よると同おなじ色いろのドレスは
さっき簡単かんたんに脱ぬぎ捨すてたのに

抱だきしめて爪つめを立たてて 薄うすい膜まくから
君きみを連つれ去さろうと 伸のばしきった腕うでから
飛とび出だすのは 頼たよりなく濁にごった情熱じょうねつで
こんなものじゃ 君きみの胸むねは打うち抜ぬけない

狙ねらいをもう一度定いちどさだめ直なおして
囚とらわれの君きみに照準しょうじゅんを合あわせて最後さいごは引ひき金がねを
大丈夫だいじょうぶ 夜よが明あけてしまうまでに
奥おくまで潜もぐって かたをつけるから

抱だきしめて爪つめを立たてて 薄うすい膜まくから
君きみを連つれ去さろうと 開あけたドアの奥おくから
漏もれ出だすのは 君きみの中なかの澄すみ切きった感情かんじょうで
話はなしが違ちがうぜ これじゃ君きみを打うち抜ぬけない

強つよく触ふれるほど君きみがこぼすのは
涙なみだに良よく似にた色いろの蜜みつ
僕ぼくの目めの前まえにいる今いまの君きみは偽物にせものだろ

抱だきしめて爪つめを立たてて 薄うすい膜まくから
君きみを連つれ去さろうと 伸のばしきった腕うでから
飛とび出だすのは 情なさけなく澄すみ切きった情熱じょうねつで
こんなものじゃ 君きみの胸むねは打うち抜ぬけない