空そらに叫さけぶ風かぜの音ねが 審判はじまりの時ときを告つげる
翼つばさに触ふれる星ほしは冷つめたく

噂うわさ好ずきな天てん使したちはわたしを嘲あざけり笑わらった
その時とき 光ひかり纏まとい神あなたは現あらわれ

「裁さばきを下くだす」
そう云いった神あなたは見みたことのない哀かなしい瞳ひとみで…

笑わらって君きみだけと
云いってほしいだけなのに
重かさねた温ぬくもりは闇やみへと消きえた
叶かなわぬ想おもいなら
なぜわたしを造つくったの?
孤こ独どくを知しるためだけの
魂たましいなどいらないのに

嘆なげきの雨あめは囁ささやき
翼つばさを黒くろく染そめてゆく
凍こごえた薔薇ばらは震ふるえて眠ねむり…

神しん殿でんに響ひびく歌うたは追つい放ほうの合唱アリアとなった
その時とき 影かげを纏まとい扉とびらは開ひらかれ

奈な落らくの底そこへ
向むかい墜おちてゆく
追つい憶おくはただ寄より添そう
わたしに優やさしく…

あなたを愛あいしてると
そう伝つたえたいだけなのに
こぼれた運うん命めいは 朝あさ露つゆに消きえた
届とどかぬ定さだめなら
なぜ二人ふたりは出で逢あえたの?
いっそこのまま
暗くら闇やみだけを愛あいする悪あく魔まになりたい

「光ひかりヲ求もとメテ羽はバタク幻まぼろし
遠とおザカル楽らく園えん
一人ひとりデ彷徨さまよウ
君きみヲ救すくエヨ…」

歩あるいた雲くも路じの果はて
くちづけた朝あさの虹ひかり
もうすぐ夢ゆめは終おわる
さよならを告つげずに

始はじまる嵐あらしの中なかで
二に度どと振ふり返かえらぬように
さあ世せ界かいよ
包つつみ込こんで
わたしが天てん使しじゃなくなる日ひを
永えい遠えんに