そこに君きみが居いなかった事こと そこに僕ぼくが居いなかった事こと
こんな当然とうぜんを思おもうだけで 今いまがこれ程ほど

ダイナモの音おと うねる坂道さかみち 憧あこがれのギア いじった誰だれか
ザリ釣つり帰かえり 謎なぞのサーチライト 始はじまり探さがし 迷まよったら夜よる

不思議ふしぎが忘わすれるくらいあった そのいくつかの魔法まほうはもう解とけてしまった

長靴ながぐつは嫌きらい 傘かさは大好だいすき 重かさねたらほら これ秘密基地ひみつきち
自転車置じてんしゃおき場ば 会あいに通かよった 尻尾しっぽの生はえた内緒ないしょの友達ともだち

言いえない事ことが今いまよりもあった 寂さびしいのは失なくしたからじゃない

そこに君きみが居いなかった事こと 分わかち合あえない遠とおい日ひの事こと
こんな当然とうぜんを思おもうだけで すぐに景色けしきが滲にじむよ

体温計たいおんけいで ズルして早退そうたい 下足箱げたばこに斜陽しゃよう 溜ため息いきひとつ
母ははの日ひの朝あさ 父とうさんとシャベルで 尻尾しっぽの付ついた友達ともだちの墓はか

悲かなしい事ことは宝物たからものになった
君きみもきっと そりゃもう沢山持たくさんもっているでしょう

そこに僕ぼくが居いなかった事こと 今いまは側そばに居いられる事こと
こんな当然とうぜんを思おもうだけで 世界中せかいじゅうが輝かがやくよ

同おんなじもの見みられたら それだけでいい
同おんなじ気持きもちじゃなくても それだけでいい
変かわっていくのなら 全すべて見みておきたい
居いなくなるのなら 居いた事ことを知しりたい

ここに誰だれが居いたかっただろう それが僕ぼくにもなり得える事こと
こんな当然とうぜんを思おもうだけで 眠ねむれない程怖ほどこわいんだよ

そこに君きみが居いなかった事こと そこに僕ぼくが居いなかった事こと
こんな当然とうぜんを思おもうだけで 今いまがこれ程愛ほどいとしいんだよ
怖こわいんだよ

アドバルーンの下した 催事場さいじじょうのヒーロー 光化学こうかがくスモッグ 手てを引ひかれた野球帽やきゅうぼう
地球ちきゅうで一番いちばん 幸しあわせだと思おもった あの日ひの僕ぼくに 君きみを見みせたい