吐息といきでくもるガラス戸どごしに 眩まぶしさを眺ながめていた
机つくえに伏ふせて 抱だきしめてみる 色いろとりどりの宇宙うちゅう
好すきな子こに「おはよう」って言いえた あの朝あさのことは忘わすれない
ただ人ひとは愛いとしいと思おもうのと同時どうじに 愛あいされたいと願ねがってしまう生いき物もの

君きみの手てを強つよく握にぎりしめて 凍こごえていたのは僕ぼくの方ほうだと知しる
君きみの手てまで 冷つめたくしてしまうのに 強つよく握にぎり返かえしてくれた
これが分わけ合あうということなのでしょうか 少すこしだけ わかった気きがしました 神様かみさま

一段飛いちだんとばし 駆かけ上あがる度たび 背中せなかで弾はずむランドセル
月曜げつようの朝あさ 癖毛くせげがはしゃぐ 幼おさない日ひの君きみを想おもう
君きみも思おもい描えがいてくれてるのかな 僕ぼくがどんな風ふうに過すごしてきたかを
規則的きそくてきに繰くり返かえされる 君きみの寝息ねいきを 聞きいていたら 朝あさに包つつまれた

柔やわらかい陽射ひざしを 味方みかたにして 安やすらかな春はるを 探さがしにゆこう
汽車きしゃに乗のり 地図ちずを見みずに 心こころのまま 森もりの中なかを風かぜが 泳およぐように 自由じゆうに

遠とおくても同おなじ月つきを見みてた 遠とおくても同おなじ光ひかりを見みてた
遠とおくてもひとつしかない 潤うるんでも信しんじた
手てを繋つなぎ 見上みあげる 真昼まひるの月つき

人ひとの手てってこんなにあったかいんだ 人生じんせいってまだこんなに素晴すばらしいんだ
君きみが笑わらうと僕ぼくもうれしい そう思おもえる自分じぶんにやっと出逢であえた
君きみにもそう思おもってもらえる日ひが来くるように
絵えはがきの裏うら あの春はるの景色けしきを たよりに 君きみと探さがせたら・・・