降ふり出だした雨あめが
いつかの悲かなしみを日々ひびに流ながさないように
土つちに包くるまって芽吹めぶきを待まった
雨上あめあがりの希望きぼう

雨降あめふりに誰だれかのささやかな涙なみだを辿たどり
晴はれの日ひの道路どうろで干涸ひからびた小ちいさな雨蛙あまがえる
灰色はいいろを向むこうまで追おい出だした青色あおいろが見みえる
はじまりの合図あいずが僕ぼくを今照いまてらす

街路がいろを飾かざるタイルを避さけて
顔かおを出だす小ちいさな生命いのちが眩まぶしく光ひかって

ひび割われた底そこで
いつかの踞うずくまる君きみが乾かわかないように
土つちに包くるまって芽吹めぶきを待まった
雨あめのない間あいだも

うす染ぞめの藍あい
響ひびくような空そらの
旅立たびだちのチャイムが鳴なり出だして
僕ぼくを呼よんでいた
泣ないたって怒おこって塞ふさいだって
進すすまないだけ

街路がいろを飾かざるタイルを避さけて
顔かおを出だす小ちいさな生命いのちが眩まぶしく光ひかって

降ふり出だした雨あめが
いつかの悲かなしみを日々ひびに流ながさないように
今いまは此処ここで芽めを出だすことを誓ちかう

降ふり続つづく長ながい雨あめの最後さいごに
静しずかに種たねが顔かおを出だすように
土つちに包くるまって芽吹めぶきを待まった
雨上あめあがりの希望きぼう