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坊やメル ひかりらないアナタは
視力しりょくという その概念自体がいねんじたい わからなかった

坊やメル 背中せなかきつきアナタは
「おかあさん。ひかり、あったかいね」と 無邪気むじゃきわらった

嗚呼ああ ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい
アナタをんだのは わたしです わたしです 罪深つみぶかい <<わたし>> です……

ははにしてあねであり、断罪者だんざいしゃにして贖罪者しょくざいしゃであった。
Therese von Ludowing のられざる物語ものがたり……。

もりうつ讀罪しょくざい日々ひび
薬草集やくそうあつめて せんじてみたり

かみいのっても とどきはしないし
つみきしめて いのれやしない

せめてあのため出来得できうかぎりのすべてを
りもしないで ただ なげいてなどいられないわ

__きずいやし、やまいなお
ときにはふゆかたむきかけた赤子あかごをもげた、もりかしこおんなうわさは、
何刻いつしか千里せんりめぐり、皮肉ひにく運命うんめいみちびこととなる……。

そのよるんでたのは おしのびの候妃こうひ
つきやみなか希望きぼうひかりをしん
かみみだはははしらせたのは わけありの候女こうじょ
きしめたうでなかで もういきをしていなかった

その幼子おさなごたくして くずれた……

すくわれるいのちがあれば、うばわれるいのちがある。
それを因果応報いんがおうほうててもいのだろうか……。

とても不思議ふしぎ出来事できごとによって 息子むすこひかりれたけど
それがたして幸福しあわせなことだったのか いまとなってはわからない……

一度いちどふゆかれた いとしい可愛かわいわたしぼう
きてはる陽射ひざしのなかわらってしいとねがったはは

おもいもいまただ むなしく つか陽光ひかりさえ
たわむれに うばわれてしまった
嗚呼ああ この喜劇きげきを ならばわたし世界せかいのろ本物ほんものの <<魔女まじょ>> に……

__そして、【第七の喜劇】は繰り返され続けるだろう……