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あなたの背中せなかはね
やりさき宿やどるものとは
かなしいほど無縁むえんのものでしょう
あなたの役目やくめほかにあったはず

おだやかな川面かわもながめて
わずかばかりに白波しらなみ
もはやいのることしかゆるされない
いっそ此処ここててしい

ゆらゆらゆ~ら籠揺かごゆらすように
つよしずかにこのまることはない
ただつづける

朝靄あさもやえてく勇者ゆうしゃ
なぐさめひとつもえなくて
はなびらひとつ のひらにせる
どれもなんてたよりないんだろう

ゆらゆらゆ~らこのそら真紅しんくぬのひろげても
さくら木立こだちにもたれてもなみだせません

ふしくれだったあつをとって
にぎめたそのちから
こんな時代じだいじゃなかったら
った菩提樹ぼだいじゅまえ
だれにもこのはだれさせない
やわらかなつちにおいがした
あのわらごえ涙腺るいせんがにじむ

ゆらゆらゆ~らふる墓石ぼせきまえいた蒲公英たんぽぽ
いきをついたらまっすぐにここへかえってきて