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薄瞑うすぐらあおめいた やみふち れば
月明つきあかり んだ 黄泉路よみじへと さそ
やなぎ ゆらゆらと かぜおと みれば
むらむらと 灯火ともしびらしませう

こわれた欠片かけらもどらねど ああ
こころかなしく 幾度いくたび幾度いくどれる

微細かすかにかぶは 現世うつしよ未練みれん こえはかなくもえる
仮令たとえ このちても 指折ゆびおかぞえる
おもげるとき

うずたかさえぎられ てたような 此処ここ
何人なんびとらし 記憶きおくから げど
よなよなと 彷徨さまよえる 妄念もうねんかすめば
めらめらと たぎ情念じょうねんえる

こわれた欠片かけらもどらねど ああ
こころかなしく 幾度いくたび幾度いくどける

水面みなもかぶは幽世かくりよ思念しねん こい飛沫しぶきへとわる
仮令たとえ こと葉発はたたねど 指折ゆびおかぞえる あか紅蓮ぐれんさえまと

こわれた欠片かけらもどらねど ああ こころかなしく 幾度いくたび幾度いくどぜる

微細かすかにかぶは 現世うつしよ未練みれん こえはかなくもえる
仮令たとえ この朽ゆびお}り{数くちても {指折かぞえる
おもげるとき