明日草あしたぐさを掻かき分わけて 手てを曳ひかれ背せを押おされて
玉砂利たまじゃりに足あしが縺もつれ 転こけつまろびつ

俯うつむいて向むかう先さきは 鬼おにが出でるか蛇じゃが出でるか
篝火かがりびに頬ほおを染そめた 女めの妾わらわに

忍しのび寄よる荒あらき息いきは音おとも発たてず嗤わらう
行いきはよいよい帰かえりは怖こわい 通とおりゃんせ

帰路きろは疾とうに断たたれた 岐路きろは疾とうに絶たたれた
叫さけべど 喚わめけど 戯もがけど 悶もだえど

近道ちかみちは呑のまれた 雷いかずちに呑のまれた
暴あばれど 足掻あがけど 渦巻うずまいた闇やみへと

嘶あざむく妖あやしの調しらべ 導みちびく地獄じごくの釜かまへ
辿々たどたどしい跫あしあとは 抵抗ていこうするも

忍しのび寄よる荒あらき息いきは音おとも経たてず嗤わらう
行いきはよいよい帰かえりは怖こわい 通とおりゃんせ
帰路きろは疾とうに断たたれた 岐路きろは疾とうに絶たたれた
叫さけべど 喚わめけど 戯もがけど 悶もだえど

近道ちかみちは呑のまれた 雷いかずちに呑のまれた
暴あばれど 足掻あがけど 渦巻うずまいた闇やみへと

帰路きろは疾とうに断たたれた 岐路きろは疾とうに断たたれた
叫さけべど 喚わめけど 戯もがけど 悶もだえど

近道ちかみちは呑のまれた 雷いかずちに呑のまれた
暴あばれど 足掻あがけど 渦巻うずまいた闇やみへ

昨日きのうは疾とうに断たたれた 機能きのうは疾とうに絶たたれた
叫さけべど 喚わめけど 戯もがけど 悶もだえど

逃道にげみちは呑のまれた 毬道いがみちに呑のまれた
暴あばれど 足掻あがけど 渦巻うずまいた闇やみへと