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はなれてあかね空一面そらいちめん あの日見ひみきみ横顔よこがお
れる花弁はなびらひらりひらり ねむっていたおもかぜつづ

たがいに不器用ぶきよう二人ふたりには早過はやすぎたはる
それぞれのゆめ季節きせつ足早あしばや
先違さきたがえるそのはそれほどとおくなく
「さよなら、またどこかで」 ふるえるちいさな背中せなか

だけどぼくこころいまも こんなにあつおぼえていてくるしい
ざわめきは今願いまねがいになる

わかれて部屋へやひろ一面いちめん 時間ときながわすれた写真しゃしん
はがおもいがゆらりゆらり よみがえるいとしさ
れたさくら とおはるのぬくもりを ちきれずつぼみける
きみ今何処いまどこにいるのでしょう かさねる手紙てがみまだ せないまま

あれからどれほど 胸焦むねこがすおもい しのぶれど
だけどきみからとどいた便たよりに視線揺しせんゆらいで

『お元気げんきですか?――』 『さむつづくね――』
あきらめた夢捨ゆめすて――』 『きみともう一度いちど――』

最後さいご約束やくそく場所ばしょ時間じかんしるされていた
いたかったきみがそこに けれど

そしてぼくれる景色一面けしきいちめん けなかった約束やくそく場所ばしょ
夢半ゆめなかあきらめたきみゆるせないあのぼく

はなれておも出淡であわにじのこ香映がうつ涙月夜なみだつきよ
れる花弁はなびらひらりひらり つむいとしさ
いつかきみふたたあるして あたらしい春迎はるむかえられるよう
さよならたしかにあいしたひととおそらけて かぜつづ