木陰こかげのなか きみの寝顔ねがおを
夏なつの風かぜ 撫なでた午後ごご

耳澄みみすませば 聴きこえるのは
胸むねの鼓動こどう 虫むしの声こえ

若葉わかばあおく 木漏こもれ日びやさしく
泣ないているの なぜに きみは

自然しぜんでいたい
そう願ねがうのは不自然ふしぜんな生いき物ものだと
気付きづけないまま

目覚めざめよいま 光浴ひかりあびゆけ
ただ大地だいちに落おちた菜種なたねのように
芽生めばえよいま 我われらはみな
大地だいちに落おちた かよわき種たね

生うまれた意味いみ どこにもないのに
泣ないているの なぜに きみは

花はなをたどり
蜜みつを運はこぶ 美うつくしい蜂はちのように
はたらけないなら

ゆだねよ
歌うたえよいま よろこびの歌うた
限かぎりある世界せかいでしあわせ分わかち
讃たたえよいま 終おわらない夢ゆめ
命いのちのたすきが途絶とだえぬように

目覚めざめよいま ともに散ちりゆく
さだめと知しりつつ手てを取とり合あって
目覚めざめよいま 我われらはみな
大地だいちに落おちた かよわき種たね

愛あいを咲さかせる 名なもなき種たね