晴はれ渡わたる秋あきの空そら
自転車じてんしゃを走はしらせた
国道こくどうの脇わきの道みち
あと5分ごふん 間まに合あうかな
公園こうえんの突つき当あたりの
あの家いえまで

引越ひっこしすると聞きかされ
僕ぼくは平気へいきな顔かおで
「元気げんきでな!」って
どうでもいい
フリをしてた

コスモスの花はなは
どこか淋さみしく見みえる
何なにも言いわずに揺ゆれて
季節きせつ 見送みおくるだけさ
薄紅うすべにの記憶きおくは
心こころの片隅かたすみで
もういなくなる君きみの微笑ほほえみ

10じゅっトンのトラックが
今日きょうまでの思おもい出でを
積つみ込こんで出でて行ゆくよ
ギリギリで間まに合あったね
自転車じてんしゃで追おいかけたよ
坂道さかみちを‥

転校先てんこうさきのクラスで
彼かれができちゃうのかな
「本当ほんとうは好すきだった」
遅おそすぎるね

コスモスの花はなは
きっと知しってるだろう
ずっと遠とおくで見みてた
僕ぼくは陽射ひざしのように…
初恋はつこいの記憶きおくは
気きづかれない切せつなさ
でも忘わすれない君きみがいたこと

信号しんごうが赤あかになり
トラックに追おいついて
助手席じょしゅせきの君きみが今いま
泣なきながら手てを振ふった

コスモスの花はなは
どこか淋さみしく見みえる
何なにも言いわずに揺ゆれて
季節きせつ 見送みおくるだけさ
薄紅うすべにの記憶きおくは
心こころの片隅かたすみで
もういなくなる君きみの微笑ほほえみ

でも忘わすれない君きみがいたこと