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庭先にわさきみずをまく その背中せなか気付きづけばちいさく
ときながれにのこされた あの面影おもかげとお
おさなころ記憶きおく 辿たどればかないでと
しがみついてはたしかめた 「ぼくより大事だいじものがあるの?」

自分じぶんしんじたみちあるいてゆく
つよきる背中せなか かえらなかった
あなたをこえ とどかずにえて
ぼく孤独こどくった

あかかみをつかまれて けと怒鳴どなられれば
おれだってきでこのいえまれてわけじゃないと
明日あしたえなくて すべてが空虚くうきょおもえた
ゆめなんかえがけない自分じぶんでさえも だれかのせいにしていた

あいからずにこころざして
しんじる事怖ことこわくて ごまかしてばかりいた
言葉ことば出来できないおもいがあふれて
ぼくうたうたった

出逢であいやわかかさ気付きづけば大人おとなになって
今大いまおおきな人生じんせい分岐点ぶんきてんっている
からなかったおもいまならかるがするんだ
あなたがどれほど おも荷物にもつ背負せおってあるいてきたのか

よみがるのは あの子守唄こもりうた
やさしかった背中せなか こえてきた唄声うたごえ
夕焼ゆうやけにうつふたつの影法師かげぼうし
ひとつにかさなっていた
ときながれ…
相変あいかわらずうまくつたえられないまま
こうしてうたにしか出来できないけれど
あなたとあゆんだこのみちぼく
いま ほこりにおも

庭先にわさきみずをまく その背中せなかにそっとかたりかける
あなたのもとまれてこれて
こころから 「ありがとう」