ひとりぼっちを乗のせて 夜よるを走はしる列車れっしゃ 車窓しゃそうから見みえる家々いえいえの灯あかり
そのひとつひとつに それぞれの喜よろこび それぞれに暮くれる悲かなしみがある

愛あいは痛いたみを欲ほしがるから 芽生めばえても育そだてるのは容易たやすくない
咲さかせるほど棘とげが刺さすから 思おもいが強つよいほど 思おもい通どおりにいかない

手てを伸のばせば 手てを伸のばせば 届とどくような気きがして
手てを伸のばすほど 手てを伸のばすほど 暗闇くらやみは深ふかくなり 光ひかりは強つよく・・・

この夜よるの真実しんじつに この夜よるの正体しょうたいに 少すこしずつ気付きづきはじめてしまった
眩まぶしさに全すべてを見透みすかされたくなくて 暗闇くらやみへと逃にげ込こんだのは誰だれ?

不幸ふこうになりたいなんてことを 願ねがってる人ひとはいないのに
皆幸みなしあわせになりたいだけなのに 生いきる事ことはもう 迷宮めいきゅうのようで

手てを伸のばせば 手てを伸のばせば 届とどくような気きがして
手てを伸のばすほど 手てを伸のばすほど 暗闇くらやみは深ふかく・・・

もっと遠とおくへ もっと遠とおくへ 行いきたくて頬ほほを濡ぬらし
もっと遠とおくへ もっと遠とおくへ 行いきたくて汗あせを振ふり切きって進すすむ

まぶたの裏うら そこにはただ まぶしいほどの銀河ぎんがの海うみ
まだ何なんにも終おわってない まだ始はじまってさえもいない
今いまが全すべて 全すべてが今いま さぁ歩あるけるだけを歩あるこう
途方とほうもない美うつくしさと 広ひろがりに満みちた世界せかいを生いきる

風かぜの靴くつを履はいて 夢ゆめを追おいかけると決きめた日ひのこと
忘わすれてない 生うまれたての 陽ひの光ひかりのようなワクワク
まだこんなに まだこんなに 僕ぼくの心こころは夢ゆめを見みれる
自分じぶんですら 不思議ふしぎなくらい 確たしかな足取あしどりで今日きょうを進すすむ

もっと遠とおくへ もっと遠とおくへ