空そらは泣なきやみ 色いろない眉月まゆつき
窓まどに滲にじんで そっと零こぼれた
ふたり描えがいたしるしを残のこして
夜よるはざわめく星翳ほしかざして

ただ ただ 重かさねる日々ひびに問といかけながら
摂理せつりな流転るてんに 空理くうりな刹那せつなに 嗚呼ああ
繰くり返かえし 想おもいを伝つたえた

春はるは はなびら散ちる アネモネの花はなに 窓越まどごし思おもい耽ふけたり
夏なつは 浮うかぶ星座せいざ ベガとアルタイル 窓越まどごし見みつめて 触ふれて

空そらは黙だまって 音おとない眉月まゆつき
硝子反射がらすかえして また揺ゆらいだ
嘘うそつき こじつけ 言葉ことばは無力むりょくです
夜よるを纏まとって隠かくれるだけ 縷々るる

ただ ただ 紡つむいだ日々ひびに問といかけながら
世界せかいの終おわりが 実理じつりな永劫えいごうで来くる
変かわらない 今いまを生いきる事こと

秋あきは 長雨待ながさめまつ 優やさしい滴しずくに 窓越まどごし想おもい続つづけて
冬ふゆは 雪舞ゆきまう事由じゆう 溶とけてく結晶けっしょうに似にて、涙なみだ－－－－。

春はるの はなびら散ちる アネモネの花はなが 窓越まどごしし風かぜに吹ふかれて
夏なつの 浮うかぶ星座せいざ ベガとアルタイル 窓越まどごし消きえて探さがせない
秋あきの 長雨待ながさめまつ 優やさしい滴しずくに 窓越まどごし想おもい流ながれて
冬ふゆの 雪舞ゆきまう事由じゆう 溶とけてく結晶かけらを 記憶きおくを なくしてしまう前まえに

こんな想おもいを何なんて呼よぶの?
季節きせつは幾いくつ巡めぐる?
問といかけ 空そらに浮うかべたなら
「ふたり描えがいたしるしだ、まだ。」