最初さいしょに死しのうとしたのは 女じゅうしになった年としの10月じゅうがつ
病院びょういんで目覚めざめ 生いきてる事ことになぜかほっとした
でもね 私わたしってバカだからさ わかんないんだ
命いのちの重おもさとか生いきる意味いみ ママもあいつも大嫌だいきらい

夜よるが好すき 汚よごれを隠かくしてくれる
自暴自棄じぼうじき 売うるから買かってよ
汚よごれた 私わたしを早はやく隠かくして 夜よるになれ

ひび割われた声こえで 涙なみだ 涙なみだ 涙なみだ
情なさけないくらいに涙なみだが止とまらない
まだこの胸むねが痛いたいから
カミソリを探さがした

最後さいごの彼かれはイカしてたけど 少すこしイカれた奴やつで
狂くるったみたいに嫉妬しっとして暴あばれて また浮気うわきして
乱暴らんぼうでも抱だかれる度たび 愛あいされてる気きがしたんだ
なのに子供こどもができた途端とたん ママみたいに逃にげて行いった

笑わらえるでしょう? また一人ひとりぼっちね
愛あいとか やっぱり大嫌だいきらい
なんて嘘うそ ごめんもう強つよがれない 泣ないていい?

ひび割われた声こえで 涙なみだ 涙なみだ 涙なみだ
傷きずに沁しみるだけの涙なみだなんかいらない
すべてすべて枯かれてしまえ
夜よるが手招てまねいてる

流ながれた痛いたみに かすかな悲鳴ひめいをあげ“生命いのち”に触ふれた
それは小ちいさくて やけに温あたたかくて
胸むねの十字架じゅうじかが夜よるを照てらした

ひび割われた声こえで 涙なみだ 涙なみだ 涙なみだ
枯かれたはずなのになぜ涙なみだが止とまらない
今いまこのお腹なかが痛いたいけど
生いきる意味見いみみつけた

初はじめて流ながした喜よろこびの涙なみだ
いま夜よるが終おわる…