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あなたがくしたみどりかぎ
ふたりの秘密ひみつ花薗はなぞのへと
つづびたとびら
最後さいごけたのは
昨日きのうのことか
それともとおむかし

葉末はずえうでがひらく
むかえるように
萌黄もえぎつたびる
るために
らんかおりは 紗衣ローブ
すみれれは しとね

双子ふたご少女しょうじょのように
片時かたときはなれない
どちらの背中せなかにもえた
うつくしいちょうはね
ひかりけていたわ

わたしがぬすんだ大事だいじかぎ
ふたりの季節きせつとどめたくて

出口でぐちとりたちが
えだかくしたのに
なぜくぐったの
あなたはどろだらけで

糸杉いとすぎ みきれる
微風乱そよかぜみだ
いばらくききし
いかけようと
薔薇ばらうれいは 吐息といき
百合ゆりしずくなみだ

このはなというはな
ここでしおれてゆくわ
どうかもどってきて
ときめたまま
っている
ずっとひとりぼっちで

それはだれらない
些細ささい事件じけん
おもわすれない
あなたのために

蝶々ちょうちょほねつくった
ちいさなかぎおくるわ

街中まちじゅうさまよっても
とびらはどこにもない
だけどくさないで
二度にど

められたわたしだけ
わらぬはるきる