- 文字サイズ
- よみがな
天てんに微睡まどろむ神かみの指ゆびから
物語ものがたりをしたためる藍墨インク
空そらに零こぼれて広ひろがる金青ブルー
固かたく錆さび付ついた門扉もんびが開ひらいて
いまが 逢魔ケ刻おうまがとき
一斉いっせいに舞まう菫蛾緑蝶すみれがりょくちょう
鱗粉りんぷんは七色なないろの霧雨きりさめ
恐おそれず濡ぬれた外套マントを脱ぬいで
さあようこそ
迷まよい込こまれた乙女おとめ
われが城しろの主あるじ
蒼あおの絨毯一歩進じゅうたんいっぽすすめば
紅粉青蛾こうふんせいがの侍女じじょが
その手てを握にぎり 宴うたげに誘さそう
奥おくの大広間おおひろまには
大勢おおぜいの華はなやぐ人ひと
時ときが 戻もどる
夕月豪華ゆうづきごうかな仮面舞踏会かめんぶどうかい
村人罪人魔女むらびとつみびとまじょも王おうも踊おどる
遠とおい昔むかしの
幻影げんえいなどではない
乙女おとめよ あなたが
わたしを目覚めざめさせた
その胸むねにある純粋じゅんすいで
なんと懐なつかしい
紫むらさきいろの瞳ひとみなのだろう
知しっておられようか
人ひとは死しに その魂プシケは
蝶ちょうに変かわり
愛あいした場所ばしょ 離はなれられないまま
舞まうのだ
永ながい間あいだ 忘わすれていた
喜よろこびと そして悲かなしみ
ああ何なにより
わが城しろより
守まもりたかった美うつくしい妻つま
わたしを見みつめる
その瞳めは
あの日ひのもの
どうか行いかないでおくれ
永遠えいえんの先さき
逢魔ケ刻おうまがときが
闇やみに沈しずむまで
物語ものがたりをしたためる藍墨インク
空そらに零こぼれて広ひろがる金青ブルー
固かたく錆さび付ついた門扉もんびが開ひらいて
いまが 逢魔ケ刻おうまがとき
一斉いっせいに舞まう菫蛾緑蝶すみれがりょくちょう
鱗粉りんぷんは七色なないろの霧雨きりさめ
恐おそれず濡ぬれた外套マントを脱ぬいで
さあようこそ
迷まよい込こまれた乙女おとめ
われが城しろの主あるじ
蒼あおの絨毯一歩進じゅうたんいっぽすすめば
紅粉青蛾こうふんせいがの侍女じじょが
その手てを握にぎり 宴うたげに誘さそう
奥おくの大広間おおひろまには
大勢おおぜいの華はなやぐ人ひと
時ときが 戻もどる
夕月豪華ゆうづきごうかな仮面舞踏会かめんぶどうかい
村人罪人魔女むらびとつみびとまじょも王おうも踊おどる
遠とおい昔むかしの
幻影げんえいなどではない
乙女おとめよ あなたが
わたしを目覚めざめさせた
その胸むねにある純粋じゅんすいで
なんと懐なつかしい
紫むらさきいろの瞳ひとみなのだろう
知しっておられようか
人ひとは死しに その魂プシケは
蝶ちょうに変かわり
愛あいした場所ばしょ 離はなれられないまま
舞まうのだ
永ながい間あいだ 忘わすれていた
喜よろこびと そして悲かなしみ
ああ何なにより
わが城しろより
守まもりたかった美うつくしい妻つま
わたしを見みつめる
その瞳めは
あの日ひのもの
どうか行いかないでおくれ
永遠えいえんの先さき
逢魔ケ刻おうまがときが
闇やみに沈しずむまで