テーブルの上うえ 無花果いちじくの実み
知しらぬ間まに熟うれている
甘あまい香かおりに誘さそわれても
なぜか手てを出だせなくて…

あなたのことを
ただ愛あいしただけで
誰だれかを不幸ふこうにするなら
すぐに目めを逸そらして
窓まどの光ひかりに
救すくいを求もとめたでしょう
愛あいを許ゆるして…

フェルメールの手紙てがみ
何なにが書かかれていたのか
何なんとなくわかるの
今いまの私わたしには…
たった一度いちどの それが過あやまちとしても
偶然ぐうぜんの出会であいに後悔こうかいはない
My destiny

指ゆびで触ふれたら消きえてしまう
大切たいせつなものがある
それならいっそ 瞳閉ひとみとじて
もう何なにも見みたくない

あなたのことを
愛あいする資格しかくなど
私わたしにはないと知しってる
部屋へやは暗くらくなって
すべてのものを
平等びょうどうに目隠めかくしする
愛あいの痛いたみに…

フェルメールの手紙てがみ
今いまも返事へんじを書かけずに
真まっ白しろな便箋びんせん
この胸むねの思おもい
知しらない人ひとを裏切うらぎるわけにいかない
傷きずつける代かわりに
思おもい出でにして
Your destiny

花はなの咲さかない
そんな果実かじつもある
こっそり 開ひらいているのに…
夜よるが来くるその度たび
きっと思おもい出だす
眩まぶしい陽射ひざしのように
愛あいは記憶きおく

フェルメールの手紙てがみ
何なにが書かかれていたのか
何なんとなくわかるの
今いまの私わたしには…
たった一度いちどの それが過あやまちとしても
偶然ぐうぜんの出会であいに後悔こうかいはない
My destiny