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じたままそっと 唇近くちびるちかづけて
れそうな距離きょりのまま 「きみべてしまいたい」
キレイなこえをもっと かせてくれないか?
毒針どくばりいとき 「どこにしてしいかって」

あいわなにかかったわたしちょう
ムスクのかおりがつよくてイヤなかん
からみつくやさしさが蜘蛛くもいとみたい
あいじゃないけど なぜかあなたに
一度抱いちどだかれてみたかった

あいわなにかかったわたしちょう
今日きょう誕生日たんじょうび ちょっとバラなんてズルいわ
どんなちょうだってはなにはとまるじゃない
あいじゃないけど なぜかあなたを
うそでもしんじてみたかった

いのちかげろう うたかたのこい いまさらうしなうモノなどない
いけないって わかっていながら いと愛夜盗あやと
「また無邪気むじゃきわらいかけて わたし無駄むだよろこばせないで…」
なんてえないまま また今夜こんや
あなたにかれた 明日あしたもまた明後日あさっても あなたにかれていたい

あいわなにかかったわたしちょう
ほかおんながら ないフリ
えなくたって あそびだって よかった
あいじゃないけど なぜかあなたに
わたし てられつらかった

あいわなにかかったわたしちょう
どんなにもがいたってうごけないままで
こえちゃうくらいもてあそばれて
あいじゃないけど あいじゃないけど
わたし あなたがきだった

いたみだったらきらいじゃない でも『いたい』と『つらい』とはちがうの
いけないって わかっていながら いと綱渡つなわた
ここでちたって わたりきったって どちらにせよつのは地獄じごくでしょう
これでいいの 一人ひとりよりはマシ…
あなた追掛おいかけて どこまでもちていく あなたのかおりをって…

仕掛しかけたわなふたつ “麝香じゃこう”と“蜘蛛くもいと
また一人ひとり…また一人ひとりなにらずに手繰たぐせ…