ごった返がえす人波ひとなみに 揉もまれ呑のみ込こまれ ふと侘わびしい
歓楽街かんらくがいはいつもパーティ 襟えりたてて路地裏ろじうらのバーに
軽かるめのジョーク 意味いみないトーク なめ合あう傷癒きずいやすアルコール
こんな夜よるでもやがては明あける キープのボトルをまた空あける

一ひとつ 昨日消きのうきえた思おもい出でに 二ふたつ 今宵こよいこの夜よるのために
三みっつ 明日あすへの僅わずかな糧かてに グラスの底そこを見みつめる

夜よるの帳とばりが音おともなく降おりる
灯あかりが乾かわいた心こころに沁しみ入いる
人ひとはそうして暗闇くらやみに夢ゆめを見みる

踵返きびすかえす街並まちなみに 追おわれ追おい込こまれ いと可笑おかしい
繁華街はんかがいはいつも祭まつり 横目よこめに裏通うらどおりのクラブに
飲のみ干ほすビール 美女びじょにハイヒール 華はなやかに見みえても少すこしチープ
そんな夜よるでもいずれは明あける ワインのコルクをまた空あける

一ひとつ 昨日消きのうきえた思おもい出でに 二ふたつ 今宵こよいこの夜よるのために
三みっつ 明日あすへの僅わずかな糧かてに ミラーボールを見みつめる

夜よるの帳とばりが音おともなく降おりる
灯あかりが乾かわいた心こころに沁しみ入いる
人ひとはそうして暗闇くらやみに夢ゆめを見みる

せめて今夜こんやくらいは見みていたい せめて身みをゆだねていたい
せめて今晩こんばんくらいは見みていたい せめて夢ゆめに背せもたれたい

一ひとつ 昨日消きのうきえた思おもい出でに 二ふたつ 今宵こよいこの夜よるのために
三みっつ 明日あすへの僅わずかな糧かてに 小窓こまどの外そとを見みつめる

夜よるの帳とばりが音おともなく降おりる
灯あかりが乾かわいた心こころに沁しみ入いる
人ひとはそうして暗闇くらやみに夢ゆめを見みる