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とおくに ゆっくりと
梅雨つゆ
そらからそっとげた
きぬいとあめ

しずかな街並まちなみ
いろあせて
あのひと見送みおくみち
をふりながら

わたれる わたれない
二人ふたり名付なづけたはし
わたれる わたれない
ああ あじさいばし

ちいさな このかさ
ひらいたまま
欄干らんかんてかければ
おもはな

グレイの雨雲あまぐも
幾重いくえにも
着物きもののように てる
そらにじおび

ひとみけとめた
こいおわ
あめつぶ いつのまにか
なみだになった

わたれる わたれない
二人ふたりおも出橋でばし
わたれる わたれない
ああ あじさいばし

いつでも この場所ばしょ
わせた
あのころせつなすぎて
たたずんでいた

わたれる わたれない
一人ひとりいまわたし
わたれる わたれない
ああ あじさいばし

こころに いつまでも
いている
あのひとと このはし
あじさいのはな

あのひとと このはし
あじさいのはな