天気予報てんきよほうは正ただしかった垂たれ込こめる雲くもを見上みあげた午後ごご
「荷物にもつになるから傘かさは嫌きらい」 あなたの言葉ことばが不意ふいに浮うかぶ

空そらから降おりてきた一粒ひとつぶが
私わたしの頬ほほにそっとたどり着ついた
人々ひとびとはそれぞれとりどりの
花はなを咲さかせて歩あるき出だす

私わたしは何なにも持もたず 立たちつくしている
暖あたたかな雨あめに 打うたれながら
嘘うそも涙なみだも罪つみも 洗あらい流ながして
あなたに会あいに行いけたら

蕾つぼみは咲さくことを諦あきらめて うつりゆく景色けしきを眺ながめてた
限かぎりある時間じかんとは知しっても どこにも行いけないと震ふるえてた

止やむことを忘わすれた一粒ひとつぶは
アスファルトを黒くろく染そめたあと
足早あしばやに過すぎ去さる人々ひとびとの影かげに
悲かなしみを落おとした

私わたしは愛あいも知しらず 待まち続つづけている
暖あたたかな雨あめに 願ねがいながら
過去かこも迷まよいも捨すてて あなたのためにもっと
生いきていけたのなら

限かぎりない地平線ちへいせんの向むこう 繋つながってる空そらの下したで
あなたの腕うでに抱だかれるように この心優こころやさしくて

私わたしは何なにも持もたず 立たちつくしている
暖あたたかな雨あめに 打うたれながら
嘘うそも涙なみだも罪つみも 洗あらい流ながして
あなたに会あいに行いけたなら

私わたしは愛あいも知しらず 待まち続つづけている
暖あたたかな雨あめに 願ねがいながら
過去かこも迷まよいも捨すてて あなたのためにもっと
生いきていけたのなら