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いばらくきばしてたわらめて
わたしこぼして
しずくのひとひら

終焉しゅうえんってなお
いそつぼみのように
生身なまみ心臓しんぞう
ひつぎ

少女しょうじょというあかし
紅繻子べにしゅすほね
うばいにおとなえ
堕罪だざいゆび

やみつき
とげみつ
あやすもの
ざされたさなぎ
羽化ふかするゆめ

ひかりがくめくってさぐって
やさしくつつんで
瞬間しゅんかん季節とき

らせんさきのぼって手繰たぐって
はじめてった
場処ばしょひらかれる
吐息といきあつさで

わたし薔薇ばら
さぁみなさい

たがえぬ約束やくそく
あまやかなける
腐植ふしょくしずめる
美惑びわくした

翅根はね
皮膚ひふ
いたみなき
じわりに意味いみはない
しいならばおく

いばらえだからめてほどいて
わたしらして
しずくにひとひら

こころふちえぐってもぐって
大事だじきしめて
とどまることなど
できないとしても

あなたの薔薇ばら
あぁねむらせて

きてることを
ったばかりでも

ひかりまくおぼれてくらんで
わたしもれる
さかりのしげみに

らせんさきのぼって手繰たぐって
最後さいごった
場処ばしょけてゆく
なみだおもさで

わたし薔薇ばら
さぁみなさい