ハンカチを振ふり振ふり
あの人ひとが引退さるのを
立たち喰ぐいそば屋やの
テレビが映うつしてた
シラけた人生じんせいで
生うまれて初はじめて
割箸わりばしを持もつ手てが震ふるえてた

「永遠えいえんに不滅ふめつ」と
彼かれは叫さけんだけど
信しんじたモノはみんな
メッキが剥はがれてく

I will never cry.
この世よに何なにを求もとめて生いきている?
叶かなわない夢ゆめなど
追おいかけるほど野暮やぼじゃない

悲かなしくて泣ないたら
幸しあわせが逃にげて去さっちまう
ひとり寂さびしい夜よる
涙なみだこらえてネンネしな

ビルは天てんにそびえ
線路せんろは地下ちかを巡めぐり
現代いまこの時代ときこそ
「未来みらい」と呼よぶのだろう
季節きせつの流ながれに
俺おれは立たち眩くらみ
浮うかれたあの頃ころを思おもい出だす

もう一度いちどあの日ひに
帰かえりたいあの娘この
若草わかくさが萌もえてる
艶いろづいた水辺みずべよ

生うまれ変かわってみても
栄光えいこうの男おとこにゃなれない
鬼おにが行いき交かう世間せけん
渡わたり切きるのが精一杯せいいっぱい

老おいてゆく肉体からだは
愛あいも知しらずに満足まんぞくかい?
喜よろこびを誰だれかと
分わかち合あうのが人生じんせいさ

優やさしさをありがとう
キミに惚ほれちゃったよ
立場たちばがあるから
口くちに出だせないけど
居酒屋いざかやの小部屋こべやで
酔よったフリしてさ
足あしが触ふれたのは故意わざとだよ

満月まんげつが都会とかいの
ビルの谷間たにまから
「このオッチョコチョイ」と
俺おれを睨にらんでいた

I will never cry.
この世よは弱よわい者ものには冷つめたいね
終おわりなき旅路たびじよ
明日天気あしたてんきにしておくれ

恋人こいびとに出逢であえたら
陽ひの当あたる場所ばしょへ連つれ出だそう
命預いのちあずけるように
可愛かわいいあの娘ことネンネしな