病室びょうしつ 夜よるが心こころをそろそろ蝕むしばむ
唸うなる隣となりの部屋へやが 開始かいしの合図あいずだ

いつも夢ゆめの中なかで 痛いたみから逃にげてる
あの娘この裸はだかとか 単純たんじゅんな温ぬくもりだけを
思おもい出だす

無駄むだだ ここは元もとから楽たのしい地獄じごくだ
生うまれ落おちた時ときから 出ロでぐちはないんだ

いつも窓まどの外そとの 憧あこがれを眺ながめて
希望きぼうに似にた花はなが 女おんなのように笑わらうさまに
手てを伸のばした

嘘うそでなにが悪わるいか 目めの前まえを染そめて広ひろがる
ただ地獄じごくを進すすむ者ものが 悲かなしい記憶きおくに勝かつ

教室きょうしつ 群むれをはぐれた 重おもい空そらを行ゆく
生うまれ落おちた時ときから 居場所いばしょなどないさ

いつも窓まどの外そとの 標識ひょうしきを眺ながめて
非道ひどうに咲さく花はなが 女おんなのように笑わらうさまに
手てを伸のばした

作つくり物もので悪わるいか 目めの前まえを染そめて広ひろがる
動うごけない場所ばしょからいつか 明日あすを掴つかんで立たつ
明日あすを掴つかんで立たつ

幾千いくせんもの 幾千いくせんもの 星ほしのような 雲くものような
「どこまでも」が いつの間あいだにか 音おとを立たてて 崩くずれるさま

嘘うそで出来できた世界せかいが 目めの前まえを染そめて広ひろがる
ただ地獄じごくを進すすむ者ものが 悲かなしい記憶きおくに勝かつ
作つくり物ものだ世界せかいは 目めの前まえを染そめて広ひろがる
動うごけない場所ばしょから君きみを 同おなじ地獄じごくで待まつ
同おなじ地獄じごくで待まつ