午後ごごから予報よほうどおりの雨あめ 僕ぼくらは自転車じてんしゃを降おりて
まだ残のこる夏なつの匂においの中なかで 都会とかいの音おとを聞きいてた

とめどなく流ながれる人々ひとびと どこかですれ違ちがってるかな
どれくらいの数かずの人ひとに会あって 僕ぼくら今いまここにいるんだろう

ねぇ
どこかで出会であって もう忘わすれた人達ひとたちへ
僕ぼくが消きえたらどんな気持きもちになりますか?
驚おどろいて 頷うなずいて 数分後すうふんごには元通もとどおり
悲かなしいけれど 僕ぼくもおそらく同おなじです

誰だれかが開ひらいた傘かさから 雫しずくが君きみの目めに飛とんだ
懸命けんめいに拭ぬぐうその手てのひらが あまりにも小ちいさすぎて

ねぇ
いつでも どこでも 居場所いばしょを探さがし続つづけて
負まけちゃだめだと 一人ひとりぼっちで唾つばつけて
寂さびしいって もうダメって 雨格子あまごうし 籠かごの中なかで
うずくまってる君きみはそう 僕ぼくみたいだ

ねぇ
上手じょうずな言葉ことばの一ひとつも言いえないけれど
せめて心こころを迷まよいなく開あけるように
無理矢理むりやりに励はげまさず 君きみと一緒いっしょに泣なきたくて
君きみの目めに映うつる 東京とうきょうを生いきたくて

いつもそばにいて 頼たよりない手繋てつなぎあって
3歩進ぽすすんで3歩下ぽさがる二人ふたりだって
肩寄かたよせて もたれあって 大おおきな傘かさを咲さかせよう
冷つめたくて痛いたい 東京とうきょうの雨あめの中なかで

午後ごごから予報よほうどおりの雨あめ 僕ぼくらは自転車じてんしゃを降おりて
まだ残のこる夏なつの匂においの中なかで 都会とかいの音おとを聞きいてた