無む口くちなライオン
何なにを思おもってるの?
遠とおく見みつめながら…
孤こ独どく隠かくして
強つよくなきゃいけない
悲かなしい背せ中なか
泣なきたい時ときは泣なけばいい
涙なみだこぼしても
君きみは王おう者じゃなんだ

もしも他ほかの存そん在ざいに
生うまれ変かわれるとしたら
きっと誰だれもこんな自じ分ぶんを
選えらんでしまうだろう

ああ 金きん色いろに輝かがやく
そのたてがみ
この運うん命めいの証あかし
君きみが君きみであるために…

(僕ぼくは誰だれだ?)

無む口くちなライオン
今日きょうは吠ほえないんだね?
じっと座すわったまま
時ときに誰だれかを
威い嚇かくしなきゃいけない
それが本ほん能のう
自じ己こ嫌けん悪おなんか意い味みないよ
強つよく生いきることが
君きみの仕し事ごとなんだ

もしも君きみが小こ鳥とりなら
自じ由ゆうに飛とべるけれど
誰だれも君きみを恐おそれないし
道みちを譲ゆずらないだろう

ああ 獲え物ものを射い抜ぬくような
その眼まな差ざし
そう 神かみからの指し示じ
君きみが君きみであるために…

(僕ぼくは誰だれだ?)

無む口くちなライオン
何なにを思おもってるの?
遠とおく見みつめながら…
孤こ独どく隠かくして
強つよくなきゃいけない
悲かなしい背せ中なか
泣なきたい時ときは泣なけばいい
涙なみだこぼしても
君きみは王おう者じゃなんだ

ああ 自じ分ぶんを偽いつわって
生いきることより
そう 苦くるしみながら
君きみは君きみの道みちを行ゆけ!

(僕ぼくは誰だれだ?)

無む口くちなライオン
今日きょうは吠ほえないんだね?
じっと座すわったまま
時ときに誰だれかを
威い嚇かくしなきゃいけない
それが本ほん能のう
自じ己こ嫌けん悪おなんか意い味みないよ
強つよく生いきることが
君きみの仕し事ごとなんだ