僕ぼくの部屋へやのチャイムが鳴なり響ひびいて 少すこしうつむく影かげを見みつけた
しばらくぶりに見みる君きみの姿すがたは 短みじかい髪かみでよそよそしい
鍵かぎを返かえしに来きただけだからと 足早あしばやに去さろうとする君きみに
思おもわず声こえをかけ駅えきまで送おくるからと 言いったのは僕ぼくのワガママ

二人並ふたりならんで歩あるけば まだまだまだまだ
伝つたえていない想おもいがうずくよ
いつもよりも少すこし ゆっくり歩あるく
君きみに伝つたえたい 胸むねが苦くるしいよ

初はじめて手てをつないだ定禅寺通じょうぜんじどおり 雨あめに打うたれても笑わらっていられた
絶対ぜったい 離はなさない何なにがあっても あの頃ころはそう思おもえていた
すれ違ちがう自転車じてんしゃよけようとして 君きみの肩抱かただき寄よせてしまった
このまま抱だきしめたら 止とまったままの未来みらい もう一度動いちどうごかせるだろうか

二人並ふたりならんで歩あるけば まだまだまだまだ
伝つたえていない想おもいがうずくよ
もう少すこしだけでいい 歩あるいていたい
駅えきが見みえたら 胸むねが苦くるしいよ

ここでいいよって君きみが伸のばしたそのつなぎなれた手てには
見慣みなれない指輪ゆびわ とっさに握にぎり返かえした 離はなしたくない
ああ これでもうお別わかれなんだ

どんなに真まっ直すぐ願ねがっても もうもうもうもう
行ゆき場ばの失ない思おもいが痛いたむよ
振ふり払はらってもすぐ 溢あふれ出だすんだ
君きみのぬくもり 忘わすれたい

二人並ふたりならんで歩あるけば まだまだまだまだ
伝つたえていない想おもいがあるんだよ
こんなにもあなたが 大切たいせつだった
伝つたえられない 胸むねが苦くるしいよ