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よみがな
校庭こうていにれ木陰こかげ
リルケの詩集ししゅうをめくり
くちびるうごいている
きみいま むねおく
どんななやみをかかえて
そよかぜかれるのか?

とおくから
づかれず
そっとまもってあげたい
眼差まなざしは
きみあたたかくするよ
太陽たいよう

こいかた詩人しじんになれなくて…
言葉ことばかざるより
無口むくちぼくでいる
こいかた詩人しじんになれなくて…
ときめきは ときめきのまま
はなであればいい

紺色こんいろのセーラーふく
リボンをむすなおして
微笑ほほえんではしした
その場所ばしょつけたのは
きっとこたえではなくて
青春せいしゅんというみち

すぐそばを
ぎて
ほのかな石鹸せっけんかお
けば
きみのそのうし姿すがた
木漏こも
かたるだけでえてしまいそうな…
つたえることよりも
大事だいじなものがある
かたるだけでえてしまいそうな…
せつなさは せつなさのまま
いとおしいはなであればいい

こいかた詩人しじんになれなくて…
言葉ことばかざるより
無口むくちぼくでいる
こいかた詩人しじんになれなくて…
ときめきは ときめきのまま
はなであればいい