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教室きょうしつまどから
みずのないプールを
ながめてた
あのなつ陽射ひざしや
アブラゼミ おも

はしゃいでいたともわらごえ
とおくにこえてくるよ
みずしぶきあげてた青春せいしゅん
夕陽ゆうひ手前てまえ
かげになる

ひとはみな不器用ぶきよう
およかたわすれる
よろこびやかなしみに
あしがつかずに
おぼれそうで…

銀杏ぎんなん落葉おちばたち
コンクリのプールの
そこ
つぎなつ るまで
水面すいめんっている

いろせたはだ日焼ひやけは
余計よけいさみしくなるね
おもはいつもえて
あらたな記憶きおくまれて
かさなるよ

じたばたとあしがつり
はなみずはいって
くるしみにむせながら
およげるように
なってゆくよ

どれだけのみず
またれるのだろう?
いつの
プールのそこ
あさかんじるのか?

ひとはみな不器用ぶきよう
およかたわすれる
よろこびやかなしみに
あしがつかずに
おぼれそうで…