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雨上あめあがりしたまんま かさがひとつ
まりどおいろんで らした紐靴ひもぐつ

マンホールはセーフね かえみち
いつもどおかさなか 笑顔えがおがふたつ

なにえないのは なにわないから
あんなことがあったのに わらうから

あなたの その呼吸こきゅうが あなたのこころはどうであれ
たしかにつづ今日きょうかなしいほど いとしくおも

いつもより沈黙ちんもく耳元みみもとさわ
つぎ言葉ことばけをしているよう

夕焼ゆうやけにしたまんま かさがひとつ
見慣みなれた横顔よこがお はじめてよう

傷付きずついたそのときちかくでていた
このまえでだって わらおうとするから

あなたの その笑顔えがおだれかのこころゆるすなら
せめてかさ内側うちがわは あなたをゆるして どうかせてしい

れないのがおもいやり そういう場合ばあいもあるけど
われながら卑怯ひきょうわけ いたみをるのがただこわいだけ

最終下校時刻さいしゅうげこうじこくの チャイムがとお
車屋くるまやまえ交差点こうさてんで また明日あした じゃあね

国道こくどうかわわたって やっぱりいたら
マンホールのうえって かさがくるくる

あなたの あの笑顔えがおが あなたのこころかくしていた
あのかさこうがわは きっとそうだ 信号しんごうあか

あなたの その呼吸こきゅうが あなたを何度責なんどせめたでしょう
それでもつづ今日きょうわらまえきしめてしい

きしめにこう

車屋くるまやまえ交差点こうさてんで ショーウィンドウにうつ
相合傘あいあいがざひとりぼっち それをきしめた

自分じぶんきしめた