紙かみに書かかれたピアノを弾ひいてた 紙かみに書かかれたピアノを弾ひいてた
本物ほんものが買かえないって理由りゆうで ピアノ教室辞きょうしつやめることになる日ひまで

指ゆびの動うごきに合あわせて歌うたってた ドとレとミとファとソとラとシで歌うたってた
本物ほんものが弾ひける先生せんせいの家うちが好すきだった お稽古鞄けいこかばんとスキップで登のぼる坂道さかみち

人類皆平等じんるいみなびょうどうって言葉ことばは素敵すてきだけど残念ざんねんながら嘘うそだ
友達ともだちの家いえにはグランドピアノ 家うちにあるのはペラペラのピアノ

紙かみに書かいたピアノ 私わたしだけの音色ねいろ
嬉うれしい音おと 悔くやしい音おと 出でない音おとなんかなかった
汗あせでにじんだマジックで ドとレの幅はばも違ちがう鍵盤けんばんで
いつだって ドレミファミミ

落おち込こむことがあった時ときは ちょうど今日きょうみたいなさえない雨あめの日ひは
胸むねの奥おくであの時ときの小ちいさな女おんなの子こが 紙かみのピアノ優やさしく奏かなでてくれるの

人類皆平等じんるいみなびょうどうって言葉ことばはあながち嘘うそじゃないかも知しれない
幸しあわせの音色ねいろそれぞれあれど 浮うかべる笑顔えがおは皆一緒みないっしょなんだ

紙かみに書かいたピアノ 才能さいのうや環境かんきょうがなくたって
夢見ゆめみること 追おいかけること 誰だれも拒こばんだりはしないよ
時ときが経たった今日きょうだって そっと背中せなかを押おしてくれる
澄すんだ音おと ドレミファミミ

紙かみに書かいたピアノ きっと未来みらいはいつも
真まっ白しろな紙かみに 意志いしというペンで 力強ちからづよく書かき出だしていくもの
まだ白紙はくしの明日あしただって どんな風ふうにでも描えがけるよ
いつかのように ドレミファミミ

いつだって・・・

紙かみに書かいたピアノ