もしあの日雨ひあめじゃなければ
あの信号しんごうに間まに合あえば
あなたにまた会あうこともなかったはずね
時ときを巻まき戻もどせたら ああ

愛あいをくれる人ひと お揃そろいの指輪ゆびわ
幸しあわせのレール続つづくはずだった
心こころの隙間すきまさえ重かさねた時間じかんがいつか
埋うめると思おもってた

忘わすれたことはなかったよと
でまかせならば言いわないでよ
心揺こころゆれ出だしそう

ねえ もしあの日雨ひあめじゃなければ
いつもの駅えきで降おりてたら
あなたにまた会あうこともなかったはずね
時ときを巻まき戻もどせたら ああ

やさしい恋人こいびとと飾かざらない部屋へやで
ささやかな夢ゆめを語かたり合あっていた
拙つたないやり方かたさえあなたと比くらべることも
なくなっていたのに

二度にどと泣なかせはしないなんて
そんなに強つよく 触ふれないでよ
心奪こころうばわれそう

ねえ もしあの日雨ひあめじゃなければ
傘かさをささずに出でかけたら
こんなに苦くるしむこともなかったはずね
時ときは巻まき戻もどせない

銀色ぎんいろの雨あめのシャッター
かすかなためらいの逃にげ道閉みちとざしてゆく
過あやまちだって構かまわない
燃もえるような口くちづけをもう一度いちど

ねえ もしあの日雨ひあめじゃなければ
いつもの靴くつをはいてたら
あなたをまた愛あいすることもなかったはずね
時ときに身みを任まかせましょう ああ