どこかで僕ぼくを待まってんだ 両手りょうてを広ひろげて待まってんだ
そっと目めを閉とじたら連つれて行いかれそう

ぼんやり月つきが浮うかんでいる 何故なぜだかいつも自慢気じまんげだ
こっそり眺ながめて妬ねたんでしまうよ

独ひとりで枯かれたままの 僕ぼくに何なにができるのかな
生うまれて死しぬ運命さだめに 弄もてあそばれて今日きょうも生いきるの?
どれだけ理屈りくつを 並ならべようが 嗚呼ああ

鬼おにが笑わらって招まねいている 角つのを隠かくして招まねいている
下手へたに近ちかづけばとって喰くわれそう

いっそ僕ぼくのこと連つれ出だして この世よはきっと腐くさってるから
どうか僕ぼくだけを連つれ出だして

生うまれてきた僕ぼくらは 人ひとの群むれに転ころげ落おちて
出会であい別わかれの中なかで 失うしなうことに慣なれてしまうけど
譲ゆずれない何なにかが きっとあるなあ

夢抱ゆめいだいて 不安抱ふあんだいて 最期さいごを迎むかえるまで
ただ 人ひとを信しんじ 人ひとを愛あいして 人ひとを赦ゆるして 何なにが残のこるだろう

鬼おにがひたすら笑わらっている 腹はらを抱かかえて笑わらっている
下手へたに近ちかづけば離はなれてしまいそう

どんな深ふかい傷きずを負おったって 諦あきらめないのを知しってるから
僕ぼくらをじっと眺ながめている

独ひとりで枯かれたままの 僕ぼくに何なにか残のこせるなら
あなたの側そばにいるから ずっと見守みまもっていて欲ほしいよ

夢抱ゆめだいて 不安抱ふあんだいて 最期さいごを迎むかえるまで
ただ 歩あるく今日きょうを 向むかう明日あすを 愛あいしたくて 僕ぼくらは生いきるだろう